MENU

密閉型の帝王 Xtrfy H1 レビュー

目次

H1のレビューにあたって

※現在大幅なリライトを予定しており、内容評価と基準が変わります。H2レビューをベースになるのでリライト後の変化ございます。御了承を

Xtrfy より発売されているフラグシップモデルのヘッドセット H1 のレビューになります。今回も例の如くガッツリ使い込んでの主観での使用感評価を心がけてレビューさせていただきます。上がH1のイメージがわかりよい動画です。

記事の文量がかなりのものとなってますので早速ですが開封の儀は省かせて頂きます。以下に目次を設置しております。大量の文を読みたくない方はとりあえず記事終盤までスクロールして”まとめ”を読み、その次に気になった部分を目次から見てくだされば時間かけずに読めます。管理人の文章構成力のなさでご迷惑かけます。

※製品評価の他者様との差異は考慮しません。

Xtrfy H1

[outline]

使用した際に感じた大まかな部分

にぺす
・密閉型らしい密閉型
・抜群のフィット感
・音をよく拾い逃さない
・高品質なステレオ定位
・20時間連続使用に耐える装着性
・トップクラスの遮音性
・豊富で実用的な付属
・音域の傾向は低音強めの印象
・密閉らしくこもるが普段遣いに耐える

Xtrfyってどんなメーカー?

 世界一のFPS競技人口を誇るCS:GOで活躍しているスウェーデンのプロチーム Ninjas in Pyjamas(ニンジャズ・イン・パジャマズ)ことNiPの選手により設計、テスト、調整をし製品化して世に送り出しているメーカーがXtrfyです。
 CS:GO自体が日本に馴染みがないですが、Overwatch、Fortnite、LoL、Dota2、ハースストーンと同様にe-sports最上格であるティア1に位置するタイトルです。ティア2ではCallofDuty、R6S、PUBG、FIFAなんかが日本の有名所でしょうか。NiPはそんな世界で何度か優勝しているようなトッププロチームです。シビアな現場のニーズの答えがXtrfyの製品ラインナップとなっています。
 上の動画はXtrfyの代表作であるゲーミングマウスM1の広告になります。メーカーのイメージにもピッタリな内容で一分弱で見れますのでどうぞ。

H1のウリ

 公式のリンクを貼っておきます。メーカーがウリにしてる要素が見やすくまとめてあるので参考にドウゾ。
 使用感の前に製品の特徴とする簡単な部分です。インパクトのある見た目ですがゲーミングヘッドセットの中では存在感を出しつつもゲーミングらしさを全面に出したゴテゴテしたデザインではなくシンプルで無骨なものです。ハウジング部が樹脂ではなく他のヘッドセットよりも存在感と特別感が見て感じられるのではと思います。音質にも貢献してる印象があります。
  使用されてるスピーカーは60mmネオジム。ネオジムと言われてもピンときませんが簡単に言えば軽量で非常に磁力が強いのが特徴です。しかし希土類磁石であり、錆びやすさから処理にコストがかかるため価格が高くなる傾向になるものです。ヘッドセットにネオジムを60mm大口径スピーカードライバーで採用してるH1はかなりパワフルに音を鳴らす印象です。
  フレームにはアルミ採用ということで軽量を意識して設計されてますね。実際は軽さに驚くほどではありません(正直)、というのもスピーカーのドライバーがデカイんである程度の重量にはなってしまうんです。しかし重いと感じることもなく軽量化設計されてなかったら悲惨なことになってたかもしれません。ユーザーの使用感に寄り添った設計に感じます。
 イヤーカップが巨大なのも特徴の1つでしょう。耳をシッカリ覆って音を逃さず耳に伝え、実測約25mm程ある極厚のクッションで良好な装着感を実現しています。このイヤーカップも非常に重要な役割を果たしているので後述します。
  ヘッドバンドにも工夫がなされてましてクッションが5分割されています。コレによりクッションのヨレやヘタレ防止、5点を触れやすくし圧力が集中しないようにする工夫がなされています。
 マルチプラットフォームに対応、とありますが正直言ってこれは今では珍しくありません。定価約2万円クラスのヘッドセットが普通に端子だけ増やしてマルチプラットフォームしても強みに感じません。しかし付属で普段別売りされてる5000円近くのサウンドカードついてくるんですよね。となると話は別でして、この付属してるサウンドカードSC-1ですが、単なる入力の拡張ではなく、プロのプレイヤー監修でチューニングされたサウンドカードになっています。自分の好みでカスタマイズするタイプではありませんが、使用するだけでプロと同じ環境になります。実際かなり使いが手がよく、仮に別のヘッドホンやヘッドセット、マイク、イヤホンでも使えます。
 またコントローラーがケーブルに付いており、音声音量、マイク感度、ミュートを手元で操作できます。なくても困らない要素ですが実際あると便利です。
 加えてマイクがPROマイクとCASUALマイクの二種が同封されております。違いはわかりやすく言えば指向性のPROとそうでないCASUAL。周りの音を拾わずノイズキャンセリングするPROと、音をありのままに吹き込むCASUALです。この選択肢の用意は非常に有難いです。詳しくは後述します。結論だけ書きますと両方とも実用的な使用感で満足なモノです。
 一応以下にスペック
ざっくり
・オーディオドライバ: ダイナミックΦ60 mm
・マグネットタイプ: ネオジム
・周波数応答: 5-30,000Hz
・公称インピーダンス: 35オーム
・公称音圧感度:97dBSPL @ 1kHz, 15mW
・接続:デュアルシングル3.5 mmプラグ(アダプタ有)
外付けUSBサウンドカード付属
・マイク周波数応答: 40–20,000 Hz
・重量: 380 g(マイク、ケーブル含む)

テスト及び使用感

 本題の主観による使用感です。かなりの文量になるので目次を活用していただければと思います。

20時間耐久試験()

 正直な事言いますと、多少スペックがよかろうと装着性に難があればその時点でヘッドセットとして論外、選択肢からパスします。名前はとても挙げれませんがゲーミングヘッドセットという名で個人的に許容できない製品はかなりの数あります。それはゲーミング的なデザインを優先したりユーザーの使用感を考慮してない場合に多いです。
 ゲーマーたるもの当然理解できると思うが四捨五入システムというものがある(本当はない)。5時間未満のプレイは実質プレイしていないという考え方だ()。5時間装着ではなく5時間プレイ。私は四捨五入システムを採用していてこの5時間連続プレイで苦痛を感じるデバイスは全て無条件で却下してます。過去何度かそういった製品が実際にありましたので案外ネタで済む要素ではなく、頭部に装着するものですから装着性の悪さで使用者にストレスを与える場合はかなりのマイナスポイントになりえます。 私の頭囲は約58cm、帽子で言うMサイズジャストの大きさになります。
 ということでとりあえず10時間は継続装着しようという形で試した(5時間のくだりは?)。プレイの時間は実際8時間程度だろう(二交替勤務かな?)、他のテストやエイジングやリスニング兼ねて一日を費やしました。このテスト前に別で100時間ほど慣らし運転のエイジングを行っています。
 
 結果、連続20時間を突破しました(やりすぎ)。
 感想として側圧がやや強めなので使用して緩ませるかペットボトルなんかを挟んで形をクセづけて形を馴染ませれば側圧の強さに対応できます。側圧というのはヘッドホンが自分の顔を挟む力の強さのことです。強いと圧迫を感じ痛みを伴う場合があります。弱いとヘッドホンの装着が固定されずズレやすい、頭頂部で支えることになり頭頂部に痛みを感じる場合があります。これはH1に限りません。側圧が強いぶんには形のクセづけである程度の調整はできます。
 頭頂部はクッションが活きて負担は少なかったです。極厚イヤーカップにより耳が起き気味の私でも接触で痛くなることはありませんでした。合わせてヘッドバンドのクッションが仕事してくれました。装着性に関してはヘッドセットの中で素晴らしい出来であると個人的には思えます。好みになりますがフィット感はカップがレザーであることも関係してます。ピッタリ感が嫌だったり劣化が怖い方は別途カバーで対策すれば寿命面、衛生面、装着面で幸せになれます。有名な製品はmimimamoなんかですね。
 しかし確かに装着性は良いものの、フィット感が半端ないんですよH1。側圧が強めな部類で極厚イヤパッドとレザーでガッツリ密閉してくれて音をネオジムでパワフルに鳴らすので慣れるまでは聞き疲れを感じるかもしれません。ちょっと20時間連続使用ってのは特殊すぎる運用でしが、そもそもH1はe-sportsのオフライン大会を見越して設計されているので遮音性を高めて必要な情報にフォーカスしきる設計ということでラフに使用する方向性を重視するならば最適ではないです。逆に言えばガチな運用をしたいならば最適な選択肢です。

密閉型の帝王とは?

 密閉の理解がある方は読み飛ばしてください
 タイトルに書きました。密閉型の帝王とありますが、私のオーディオヘッドホンの愛機がDENONのAH D-7000という当時のフラグシップになります。こちらも一部で密閉型の帝王と呼ばれてたり呼ばれてなかったりなんですが、少し似た音の傾向があります。そしてH1の方が密閉らしい特徴が際立っていたので同じく帝王とお呼びしました。実際色んなヘッドホンとヘッドセット試してますが、フィット感と遮音性は高級オーディオ含めトップクラスでしょう。少なくともヘッドセットでは一番密閉感あるんじゃないかと思われます。
 密閉型というのは正直手放しに褒めれるものではありません。デメリットも抱えております。しかし密閉型をタイトルで推したのはゲームプレイでのパフォーマンスを突き詰めた際には密閉型の選択が最適になります。これは好みの差ではなく用途による相性の差で密閉型が優秀となります。

密閉と開放

 密閉の理解がある方は読み飛ばしてください。
 まず密閉型は覆った耳を含む内側の空間を密閉するような状態で音を鳴らします。たいして開放型は空間の外にも抜けるような鳴らし方をします。
 密閉型は空間を小さく限定して鳴らせるため音は籠もる傾向にありますが、小さい音も漏らさずに聞かせやすいというのが特徴です。足元の材質の差などが再現されてる場合、音の距離感が再現されてる場合、オブジェクトによる音響変化が再現されてる場合、それらの変化全ての特徴まで聞きやすいということになります。狭い空間で音を拾って聞かせ続けるので比較的聞き疲れしやすいのも特徴です。
 またオーディオ用途ではヘッドホンらしい音(小さい空間で鳴らす)の傾向にあり、自然な高音質ではなく、ヘッドホンらしい味付けを求めての選択肢になります。全体の音域や響きのバランスが繊細なクラシックやオーケストラなどには向かないわけです。逆に密閉の味付けが活きるダンス系やEDMなどリズミカルな曲、低音が好きな場合などは良い方面での作用を期待できます。
 密閉することによる遮音性、つまりは外から音は入ってこず外にも出ていかないのですが、プロの大会などの競技シーンではイベントがオフラインですので観客で非常に会場が騒がしいです。Xtrfyはプロユースも想定してチューニングしてますので密閉型の採用は現場で活きるメリットを考慮しての設計で、外の音をシャットアウトしてゲームの音声やボイスチャットに集中しきる環境を実現します。音漏れも少ないのでマイクに漏れた音声を拾わせるという地味に厄介な事故も防ぎます。
 
 対して開放型は音の抜けがいいので再現される空間もチューニング次第で広く取れます。基本的にオーディオ向けであり、音もこもらないので聞き疲れしにくくリスニングに最適です。しかし全部の音を聞きやすく届ける密閉型に対して、抜けることによる自然な音に近い開放は小さい音を聞き逃すケースもあります。早い話ゲームでの運用を突き詰めるには密閉に比べて不向きな傾向となります。聞き疲れしにくいので自宅でカジュアルに楽しむには何の問題もありませんがプロの用途、最高のゲームパフォーマンスを考えると選択肢として弱くなります。
 密閉型と開放型はオーディオ方面で考えると聞くジャンルと好みの選択になりますがゲームパフォーマンスを追求する場合は密閉型の選択になるというのが私の意見です。H1はその密閉型で、密閉型らしい密閉型に振り切っているということです。その分聞き疲れもしますが音がよく聞こえます。

シンプルで高品質ステレオ

 疑似サラウンドについての個人的な意見を確立してる方は飛ばしてください。H1はステレオになります。
 個人的にはバーチャルサラウンドというのは評価していません。それはオーディオで聞いてても今までの累計プレイ時間が10000時間いってるであろうゲーマーとしての経験則からも、下手なサラウンドより高品質なステレオの方がパフォーマンスが高く拡張の融通も効くってのが私の中の結論です。実際プロの使用するヘッドセットもサラウンドであることは一切重視されていません
 と、言いつつも当然バーチャルサラウンドを評価してる方もいるでしょう。否定するつもりはなく私はヘッドホン自体に必要と思わないと言うだけで必要な方は別途追加すればいいです。というのもH1含め、プロの採用率が高いHyperX Cloud Ⅱ及びα、ゼンハイザーGameZEROだけでもかなりの使用人数です。ですがこの3種(CloudはⅡは忘れてαだけ知っとけばいいです)はサラウンド機能搭載してません。それよりも基本的な部分を注力して、必要あればユーザーがカスタマイズしていけばいいという考え方でしょう。
 そもそも疑似サラウンドですが文字通り仮定での再現なのでゲームタイトルごとに相性があったりと毎度まいど無難に機能する信頼性は正直微妙なわけです。それらの理由とステレオで定位に関して困った経験がないことから、私は煮詰められたステレオを最優先で準備してほしいし、プロもそういう選択をしたラインナップになっている。決して邪魔という意味ではないですが、必要と思うことはないです。

音の傾向

ゲーミングとオーディオは両立できない?

 ゲーム向けのチューニングがなされるゲーミングへドセットは音楽鑑賞や普段遣いとの高い次元での両立は実際不可能といいますか、用途が違うのでどちらかに尖らせば尖らせる程に他の用途で違和感を生むという考えが自分の中で出来てました。
 というのも絶大な評価を受けているCloudシリーズ、その中でも現状でトップに君臨するのはCloudαになるでしょう。というわけで手元にありまして長い期間お世話になってたわけです。すこしこのCloudαの小話にお付き合いください。
 音の傾向は密閉傾向がシッカリあって、中高音がやや強調を感じられ足音や効果音などをしっかり拾うチューニング、対して低音はやや控え気味で反響音や残響音が少ない特徴があります。響き系の音を小さく絞って定位や音がぼやけずに音源にフォーカスしやすいというゲーミング特化な特性という印象がありました。当然ここまで特化チューニングされると個人的には音楽にかなり違和感ある聞こえ方がします。Cloudαの特徴である残響の少なさからくる特殊な音響はゲームでは使いやすくとも音楽はかなり性質変わってきます。
 H1の場合はあくまで変に癖のない鳴り方。個人的には両立してくれました。Cloudαはゲームのために1から作り出して設計されてるイメージ(ゲームのみに特化)、H1は普段使いのモノをe-sports向けにトコトン磨き上げたというイメージ(普段使いを許容しつつゲーム用途を強化)。

傾向の前のエイジング

 まず音の傾向の前に慣らし運転のエイジングについてですが、エイジングによる音質変化というのは色々な意見があります。
・ある開発者によるとエイジングにより音が馴染む、
・ある開発者によると意味はない、
・ある科学者によると音質の変化はあるが”良い変化”ととるかは絶対的ではない、
・ある販売業によると慣らし運転で鳴らしてる音が出やすくなる傾向がある
 個人的な意見としては音が馴染むことによって音質は確かに変化するが好みになるかどうかは人によるという考えです。私はエイジングによる音質変化はあると思ってるので100時間以上エイジングしました。エイジング環境はポータブルアンプChord mojoを使用して音楽はspotifyでジャンル関係なく鳴らす、ゲームはPCとPS4にてFF14,CODBO4,APEX,ironsight,fortnite,R6S,MHWで鳴らし、ディスコードでお喋りという具合。

H1の音の傾向(音楽)

 記事ボリュームの関係上テスト内容に関しては一部紹介となります。
1曲目:Apocalyptica;Path Vol.2 (feat.Sandra Nasic)
 動画の通り話題作のDeathStranding挿入歌となってます。曲自体は2000年なのかな?とにかくチョイ前の曲です。変わったバンドでしてチェリスト3人とドラマー主体です。
 H1で聞きますとかなり音場(鳴り方で仮定される空間)は狭くかなり近いとこでパワフルにガンガン鳴らしてきます。エイジング前は低音の主張が終始強すぎてパワフルなボーカルよりも低音チェロがノイズの如く目立ちすぎて曲が崩壊してました。が、エイジング後は低音がマイルドになり高音がそれなりに出てくるようにもなりました。低音強めの特徴は変わりませんが崩壊は消え去りつつもパワフルに鳴らしてくれました。ただ密閉の特徴から籠もりますんで曲としては鳴りすぎて元気過ぎる印象は抜けきらず。やはりオーケストラとかは向かないのかなぁと。
 しかしエイジング前に比べて音のぼやけも晴れて、解像度は値段相応になります。そういう意味では傾向は違いますがオーディオメーカー ゼンハイザーのヘッドセット並に汎用性期待できるんじゃないかと期待させられます。
2曲目:Ed Sheeran;South of the Border (feat. Camila Cabello & Cardi B)
 2019年7月12日公開のEd Sheeranの曲です。似た音がなるヘッドホンD7000ではEdSheeranを非常に気持ちよく鳴らしてくれるんですよ。気持ちよくリズムを刻みながら中低音をベースに構成してくれるEdさんですが今回は女性ボーカル豪華なコラボでして聴き応えがあります。H1はD7000と同じく密閉型で低音盛りの傾向から私の好きなEdさんがどう鳴るか視聴。
 聞いててはやり心地よい。リズムをわかりやすく刻んでくれる曲はパワフルなネオジムと相性が良いのでしょうか?加えて中音~低音が豊かに元気良くなります。籠もり傾向の音ですが響きが良い方面で作用するように感じられる曲なので気持ちよくなれます。個人的にストライクです。音場が狭いH1では狭い空間で聞きたい曲が映えます。
3曲目:東京事変;閃光少女
 洋楽が続いたというのもありますが、出力機器泣かせの林檎姐さんから一曲。ナイフのような鋭く裂くようで、ほんのりハスキーさを含む繊細な声質で吐息も入れてくる歌い方です。高音の存在もあって個人的には密閉型との相性はよろしくないと考えて敢えてチョイスいたしました。約3分でカップ麺待ちにも最適だとか。
 H1では全体的に少し籠もりを感じますが楽器が特に元気に鳴ってくれます。東京事変の曲全般ですが楽器が近くで鳴ってるような感じがあり音場の特徴が出ています。バンド好きには密閉型いいですね。聞いてて楽しくなります。
 問題の姐さんの声ですが基本的には問題なくなります。低音盛りではあるH1ですが声のバランスが大きく崩れることはないです。ゲーミングのチューニングにより繊細な声が壊れるというのは少なくないケースなのですがH1でそういう印象は受けません、あくまで密閉低音だなって範囲です。しかしながら高音を突き抜けるように声を発した際はフィルターを感じるように少し出てない感じがします。
 と言ってもここらへんの高音まで全部鳴ってしまうとオーディオホンのフラグシップラインの立場がなくなってしまう普通鳴らない部分です。H1も傾向的にやはり苦手な音域でしたが、贅沢な要求になります。ゲームで超高音域鳴らす必要がなく、鳴らすとスタン音とかで耳をつんざくことになるので。まぁ高音はやっぱり鳴りきらないという確認です。鳴らしたいのであればゲーム用途を多少捨てるなり高級オーディオに手を出すという選択になりそうです。
 で、ゲームの評価。

H1の音の傾向(ゲーム)

 音声機器はゲームタイトルごとに相性があります。鳴り方に癖がないほうが全体的に苦手はありません。H1の場合は癖がなく鳴りつつ良好な装着性と遮音性、パワフルに音を鳴らしきり小さな音をぼやかさずに逃さないことによる良好な定位を実現してます。シッカリした密閉とパワフルな音源がゲーム用途で功を奏してるという感じです。
 引き合いに出してるCloudαですが、あのヘッドセットは本当にゲーム用として素晴らしいからこそ比較例にだしてるのですが、Cloudαは独特な響きから、ほぼ全てのゲームで優秀な定位を発揮しますが唯一R6Sだけは地形の破壊による響きの変化が生じる特殊なゲームなので妙な聞こえ方になります。H1は低音盛りで密閉らしい鳴り方と言うだけで強い癖はありませんから苦手は無いように感じます。
 鑑賞的なゲーム、例えばFPSのキャンペーンモードなど没入してゲームの世界観を楽しむ使い方でも、よく響き 環境音を豊かにする低音がモリモリ鳴ってくれるので十分使えます。

マイクのテスト

 マイクは音のザラつき、ノイズ、プツり、聞き取りにくい音質等々はありません。カジュアルマイクは特に特徴も欠点もなく使用が可能です。一方で指向性であるプロマイクは向いてる方向のみの音を集中して拾うタイプですが、かなり指向性の特徴が強くでてて外部の音を大きく遮断します。感度自体が低くなりがちなのが問題ともなりえます。
 元々の用途はオフラインイベントでの使用を想定しての会場の音を遮断しつつプレイヤーの声だけを吹き込ませる運用が想定されており、実際のオフラインでのプレイではゲームの報告も家とは違いそれなりの声量で喋るので性能をイイトコ取りできるのでしょう。しかし家では大抵喋るボリュームを少し抑えての使用かと思います。この問題を実感したのがPS4での運用。
 PS4に直挿しした場合プロマイクは感度が低すぎてよろしくなかったです。PS4側で感度を底上げするとデバイスに関わらず盛大にノイズを含むようになるのでPS4での運用では、それなりの感度を持つマイクかマイクに感度調整があることが望ましいです。
 H1はコントローラー付きで、サウンドカードまでついてきますね。サウンドカード経由で使用すると音質が更にクリアになった印象を受け、ヘッドセット側で感度を上げることで私の場合はPS4でも問題なく使用できました。相手からはノイズもなく良好とのこと。なんちゃって指向性マイクは世に多いですがH1の指向性はかなり強めで弊害がどうなるかと思いましたが無事乗り越えてくれました。PCの場合は特に問題なく良好。

まとめ

・ヘッドセットの作り
 側圧が強めなので調整を推奨。馴染ませればハイエンドヘッドホン含めてもトップのフィット感を実現し、極厚のイヤーパッドとヘッドバンドのクッションで痛みを感じることもない。しかし側圧が強いのでそのままの使用は注意。フィット感に貢献するパッドのレザーは好みが分かれる。mimimamoなどでカバーを追加すると更に幸せになれるかもしれない。

・強い密閉型傾向
フィット感により生み出される密閉具合もトップクラス。これは良い点悪い点あるがプロユース想定の結果。音を確実にプレイヤーに届け聞き逃しはおこらず、密閉によって音が外に逃げて漏れることもない。しかし音が密閉空間で鳴り続けるので慣れるまで多少聞き疲れの可能性はある

・音の傾向
低音強めの傾向。音場は狭めで、密閉型らしくやや籠もるがゲーム向けに強く密閉してるので籠もりは不可抗力と捉えてます。音は小さい音源でもネオジムによるパワフルなサウンドでシッカリ鳴らしてくれるのでゲーム用途では最適、聞き逃しは起こしづらく定位も良好です。
その代わり全部の音を狭い音場でキッチリ鳴らしすぎてしまい全体のバランスを重要視したいオーケストラなどの音楽鑑賞には不向きで、味付けのあるヘッドホンらしさあるサウンドはモニターヘッドホンの逆を行く。音場の狭さやパワフルなサウンドを活かしたい音楽、没入感を重視したいゲームでも良い味付けになる印象。

・ゲームでの使用
オフラインイベントまで想定して突き詰めた調整の結果に強い密閉性と指向性マイクを備えたH1。鳴り方自体は癖の強いものではないため不向きなゲームは特に無い。オフラインイベントまで想定するプレイヤーの場合では数少ない選択肢の中で強力な候補になるのは間違いなさそう。なんちゃってゲーミングではなく、しっかりと設計の目的を感じられ、実現しているのではと思う。
反面、ラフに身につけて楽に聞き流したいだけのカジュアル重視な場合はH1の良いところを利点に感じづらくなるかと思う。H1に興味を持つ時点でラフ優先ってことは珍しいだろうが、気軽なラフさを目的として買うべき選択肢ではないかと思う。

Xtrfy H1

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェア・フォローよろしくお願いします!
  • URLをコピーしました!
目次