1つの完成形 Xtrfy M1 の使用レビュー

Xtrfy M1 再レビューの経緯

 2019年秋に発売が予定されているXtrfyの新マウス仮名称”プロジェクト4”。新マウスのレビュー先立ち 改めてデバイスのレビューを書き直そうということで、記事編集の経験を積むことも兼ねてレビューし直します。

 レビュー記事自体はネットに多くあるので”1プレイヤーによる具体的な使用感”という部分を軸に書いていきます。パーツの詳細やスペックの詳細など調べればわかることは最低限に留め、実際に手元にあるからこその使用感を書いていきます。

 

Xtrfy M1 の全体的な感想

 

 
にぺす

表面処理、形状、重心のバランスが非常良いエルゴノミクスマウス。かぶせ持ち、つかみ持ちに非常オススメ出来る。ラバーコートの品質がよく持った時のフィット感が良好で、一年以上使い倒してるが剥げたりボロが出る劣化は感じられない。

・かぶせ持ち、つかみ持ちに特化してるエルゴノミクスの形状が、指先だけで持つつまみ持ちの場合だと形状の利点がかなり薄れてしまい癖の強い持ち感になる印象。つまみ持ちだとややオススメしづらい

特徴と言えるほどにケーブルが硬い。気になる場合はフチの処理がなされているマウスパッドやマウスバンジーで対策は出来るが気になる点ではある。新型マウスのプロジェクト4では改良が見られます。

・マウス自体は巨大ではないが右手親指で押す前方サイドボタンの位置が届くかどうか際どい位置にある。手の小さい人は注意するべき部分です。新型マウスのプロジェクト4では改良が見られます。

Xtrfy ってどんなメーカー?

 日本ではデバイスに興味のある一部のゲーマー以外には知名度は高くないかと思われます。世界一のFPS競技人口を誇るCS:GOで活躍しているスウェーデンのプロチーム Ninjas in Pyjamas(ニンジャズ・イン・パジャマズ)ことNiPの選手により設計、テスト、調整をし製品化して世に送り出しているメーカーがXtrfyです。

 CS:GO自体が日本に馴染みがないですが、Overwatch、Fortnite、LoL、Dota2、ハースストーンと同様にe-sports最上格であるティア1に位置するタイトルです。ティア2ではCallofDuty、R6S、PUBG、FIFAなんかが日本の有名所でしょうか。NiPはそんな世界で何度か優勝しているようなトッププロチームです。シビアな現場のニーズの答えがXtrfyの製品ラインナップとなっています。

XtrfyM1
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M1 大まかなスペック

 

・重量

公称は95g 我が家で実測は約91g(いずれもケーブル無視)

 測定はBrewista製の0.1g単位で測れるスケールを使用してます。約91gとしましたがケーブルが硬めのM1ではケーブルの微妙な反発によってマウスバンジー使用しても重さが0.3g程度上下します。おおよそ91.1~91.3gである場合が多いです。近い重量としてはRIVAL310,RIVAL600,G403(703) ,KonePure,FK1,EC2-など

 重量自体は平均的で軽くも重くもないので癖がない重量です。マウスの重心はおおよそ中央のセンサーレンズ部分に位置しており、優秀形状のエルゴノミクスと相まって”重さ”は良い意味で感じにくいバランスになってます。サイズ自体は大きめですが、形状と重心により重さを苦にしない評価は人気の高いDeathAdderでもよく目にします。

Brewista Smart Scale
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・各パーツ

メインスイッチ:Omron製 サイドボタン:Kailh製

センサー:Pixart PMW3310 (IPS:130 加速:30G)

表面:ラバーコート ソール:テフロンパッド

ドライバレスでCPI400/800/1600/3200/4000 ポーリングレート125/500/1000から設定可能。

 センサーは実績のあるPixart製のPMW3310ということで古い型のセンサーになっています。新しいセンサーを採用せずに3310という旧型を採用したのはNiPのヒアリングを受けてのことだそうで、新しい技術よりも安定した実績を持つ旧型を選択しています。当時の全体的なマウス採用率を見ても旧型がまだまだ優勢でした。

 実際にCSGOのプロで使用率トップクラスのマウスであるZowei製EC2Aは新型であるEC2Bという選択肢があるにも関わらず旧型のほうが採用率を維持している事実があります。EC2A→EC2Bでセンサーとソールが新しく変更されるのは必ずしもプレイヤーのニーズと合致するわけでもないことを表してるかと思います。同様にXtrfyも新製品のプロジェクト4もM1からセンサーとソールが変更されます。プロジェクト4が最新機種であろうとM1の存在価値は変わらずに維持されるかと思います。

 現状M1を使用している私ですがM1独自のソールと挙動がとても気に入っています。プロジェクト4に大きな期待を持っていますが、そこの感触の変化はあると思いますので素直に乗り換えるか、M1のままでいくかは現状何とも言えないです。それほどM1を高く評価しているということにもなります。

 

・形状

 

 各寸法は上の画像のとおりになります。形状は見やすい画像を貼っておきます。そちらを参考にしながら使用感をイメージしてもらえたらと思います。

 

 エルゴノミクスマウスですので基本的に被せ持ち、つかみ持ちが推奨される形状に感じます。左側サイドが大きく括れているのがわかるかとおもいますが、少々捻れた括れ方をしています。

 つまみ持ちの場合指先でマウスを保持するのでこの捻れた括れにより保持時にマウスがやや傾くため強い癖を生むかと思われます。

 推奨されるであろうかぶせ持ち、つかみ持ちの場合は掌の親指の付け根の膨らみがマウスの左手前の膨らみに密着する形となり、右奥の細くなってく形状部分の捻れた曲線に薬指と小指の先の腹が丁度かかる形状です。地味ですがこの薬指と小指の座りの良さが良い働きをしていて親指の先と付け根とで対角に挟む形となります。

 

 保持するのに接触する主な部分は画像の緑の箇所になります。間隔の広い4点をサイドから力をかけて保持できるので固定力がありクリックしてもブレにくいように感じます。力を加える際の安定感が個人的には今まで触ったどのマウスよりも優れている感触です。黄色部分はかぶせ持ちの際に追加して接触を感じる箇所です。ホールドの安定感があるので被せ持ち、つかみ持ちでの使用感の変化はありません。

 同様に持ち方によるクリック感ですが、誤爆しない程度にクリックが軽いためどちらでもクリックしづらさは感じずに軽快にタップできます。

 表面処理のラバーコートが保持力とフィット感に貢献しており人差し指と中指を完全にフリーにしてもシッカリと持てる。横方向の力だけで保持出来るためマウスを離して置く動作に縦の力が変に影響することもなく誤爆もない。手首視点の振りも安定感を保ったまま可能です。

 ADSが切り替えなのかホールドなのか?右クリックを押す際にどの程度の力みが生じるのか?全体的なセンシとの兼ね合いからM1での持ち方が個人ごとに決定してくると思います。指先だけで保持し指先エイムを基準とする場合は上記の形状利点が機能しにくいと考え、つまみ持ちにはやはり適してないという印象です。その分かぶせ持ち、つかみ持ちに特化してる形状です。

 

使用感

 ラバーコートは持った際にフィット感を高め、保持の安定に一役買ってくれます。しかしラバーあるあるとして劣化によりハゲたりボロボロになったりした経験があります。M1の場合は質感の良いラバーコートで恩恵を感じつつも一年以上使い倒して未だに耐久面でボロを見せておりません。素晴らしい。

 ソールは画像のようになっていて独特な形状なっています。ソール1つあたりの表面積が大きいためストッピングが効きやすく全体的にしっとりした挙動という印象があります。これはセンサーのチューニングの仕方も影響してるかと思います。他のマウスとは僅かながら違う印象を私は持っていますが、本当に微かな差になります。マウスパッドの影響も受けるかと思いますので個人ごとに最適な組み合わせを見つけるのが良いかと思います。

 

 上記でも書いたとおり重心は中央のレンズ部分の画像で言う青スプレーに位置しています。保持する際の各ポイントから見てもほぼ中心になってますね。安定感向上と余計な重量を感じないことにコッソリ貢献してるんじゃなかろうかと思っています。

 

センサーテスト

 個人的にはテストよりもフィーリング重視なので大雑把な計測ですが、結果は以下に貼ります。全体的に飛ぶこともなく優秀な結果を出しています。CPIはよく使われる左から400/800。ポーリングレートは上から500/1000で計測してます。下記結果画像はマウスパッドZowei G-SRを使用しています。XtrfyGP2も同じような結果でした。

 

 回転動作の半径を小→大→小という感じで計測。飛んでる箇所もなく綺麗です。

500Hz 1000Hz

 

 水平方向の往復を計測。同様に飛んでおらず優秀。

 

 古いセンサーでも特に問題なく優秀な結果が得られました。新型の方がスペック自体は向上するのでしょうけど安心と信頼の実績を持つ旧型も選択肢から消す必要もないのかなと思います。ここらへんは実際に新型を手にしないと言い切れない部分も多いです。

 新型でスペックと挙動のみならず、センサーとの相性を激しく問われるマウスパッドArtisan雷電なんかとの色々なパッドに対してどの程度対応しきれるかというのもポイントになるかもしれません。現在布系以外のマウスパッドが一部で研究されてるそうなのでそこらの兼ね合いは今後も面白いところでもあります。

ゲーミングマウスパッド Zowei G-SR
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Xtrfy XTP
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懸念点

 ここまではおおよそポジティブな評価でしたが、ネガティブと言い切りはしないまでも個人的に気になった点がいくつかあります。

 

ケーブルが細くて硬い

 黄色と黒の編み込みケーブルですが硬いです。重量でもケーブルの反発によって重量が変化しやすいと書きましたが。ケーブルの具合により若干ではありますがマウスの動きに干渉する要素になります。現在無線マウスが流行ってる理由の1つとして有線ケーブルによるマウス動作への干渉が挙げられます。ユーザーにとって全員が無視できる要素とは言いにくい点でしょう。また、ケーブルの硬い編込みによって机やモノなどにやや引っ掛かりやすい印象があります。特にマウスパッドのフチが何の処理されてないタイプですと危ういかもしれません。Xtrfyのマウスパッドは全てフチ処理されてるので心配いりませんが、他社のマウスパッドでは処理されてないモデルもあります。

 そんなケーブルの硬さからマウスバンジーをおすすめしたいのですが、ケーブルが細いため全てのバンジーで本来通り機能するわけではありません。Xtrfyからもマウスバンジーが発売されていますが、他社のバンジーの選択肢が他マウスよりも多少絞られてきます。ケーブル自体を換装するのも面白いかもしれません(改造は自己責任ですが)。バンジーが必須というわけではありませんがケーブルについては完全に無視もできないポイントではあります。

 新マウスのプロジェクト4では、ユーザーからその意見があったのか柔らかくなったパラコードを採用し、この懸念点を改善しているかと思われます。

マウスバンジー Xtrfy C1
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Xtrfy B1
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手が小さい場合のサイドボタン問題

 マウス左側の真ん中に緑の接触部分があります。マウスを保持する際の親指の先端が丁度サイドボタンの間にかかる場所になります。私は比較的手が大きい方なのですが親指の前方サイドボタン入力はかなりギリギリの位置になっていまして、若干握りを傾けないと親指で前方サイドボタンを安定して押せないかなり際どい配置になっています。

 開発モデルとしてスウェーデンのプロチームNiPのプレイヤーを基準に作っているので日本人ですと手が小さい場合が多いかもしれません。実際に手が小さい私のフレンドも親指が届かないと嘆いていました。使用頻度の高いコマンドをマウスに配置したい人が多いので親指問題は手が小さい人には痛手になります。握り直しや傾ければ押せないこともないですが持ち方の自由を奪う要素になります。

 こちらの懸念点もケーブル同様に新マウスのプロジェクト4で改善が見られ、大きめだった手前サイドボタンが小さくなった分を前方ボタンが手前まで伸ばされています。M1の形状が気になっているが手が小さくてリスクを冒せないという方はプロジェクト4が良い選択肢となるのではないでしょうか?

 

まとめ

 Xtrfyから新マウスプロジェクト4の発表を受けて改めてM1を評価し直しましたが優秀なマウスであることが再確認できました。特に形状と表面処理、重心のバランスと良好なクリック感、信頼の厚いPMW3310の優れた動作。私にとっては唯一無二の素晴らしいマウスです。新しいマウスが発売されても常に選択肢として生き残る予感があります。

 しかし万人にむけてホイホイ勧められるわけではなく、つまみ持ちではエルゴノミクスマウスの癖が強く出てしまうという点は注意が必要です。つまみ持ちの場合はM2の方がよろしい印象です。

 有線ケーブルが固くて細い、サイドボタンの配置が際どいという懸念点はM1に残りますが新マウスのプロジェクト4ではそれらが改善されるので、そこに不安を感じるけどM1の形状に興味ある方はプロジェクト4の方が選びやすい選択肢となりそうです。

 プロジェクト4では更に新型センサー導入、ソール変更、大幅軽量化、形状見直しがなされますが、それでもなおM1は選択肢として生き残る完成度の高いマウスであるというのが私の中の結論です。

 

 
にぺす
 懸念点としたケーブルとサイドボタン問題以外は1つの完成形のようなマウス。その懸念点も新マウスのプロジェクト4では改良が見られます。

 

 プロジェクト4ではマウス形状も微妙に変更され、ソールデザインの変更、重量の大幅変更、センサーの変更という全てのユーザーに対して良い方に改良されるとは限らない要素があります。

 プロジェクト4はM1の後継機ではなく新しいラインナップとして選びやすい選択肢として登場し、M1は変わらずに完成した1つのマウスとして選択肢に残り続けるモノかと思います。

 
XtrfyM1
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Xtrfy M2
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