キャサリン フルボディ レビュー

アダルトなスパイス完全版、キャサリンフルボディ

 キャサリンの無印は未プレイで、ペルソナ4やペルソナ5からアトラスが好きになり買った口。感想としては買ってよかったし満足度も極めて高かった。フルボディは実質完全版という内容で、元の無印の内容に+αの要素が追加された作品ですので無印経験者は多少評価が変わるかもしれない。モンハンでいうリメイクモンハンGみたいな存在です。

 直感でスコアをつけるなら100点中89点。A~EでいうAS判定!Aは最高の評価ですがSは個人的に特別な殿堂入りの評価です近年指折りの傑作という印象を持ちました。レビューが難しいゲームですので記事が遅くなってしまいました。

PS4版早期特典コード 早いもの勝ちでどうぞ

P5セットDLC:NKR9-3NN2-BGHH

 このゲームはパッケージや宣材画像なんかでエロエロさんな方向で期待が持たれそうですが、エロエロな意味ではないアダルトな要素が満載です。というかある程度人生を経験してきた方にこそ深く楽しんでもらえるゲームかと思います。ギャルゲーやらキャラゲーと方向性は全く違います。ギャルゲーの体験版に5時間かける私が言うんだから間違いない()。ただキャラの魅力自体はしっかりあります。

 キャサリン無印の発売日が2011年2月17日、この近くにあった大きな出来事として東北大震災が3月11日です。そう考えると昔のような最近のような…。ちなみに私は震災の瞬間にアンチャーテッド2をプレイしており、すげぇ臨場感だぜぇまるで本当に揺れてるみてぇだ!という本当に揺れてるのにゲームの素晴らしさにかまけて呑気にバカ晒してました。多分私は震災直撃してもFPS止められずに避難できない人かもしれません。

プレイヤーの価値観を問うストーリー

 ストーリー面としては”大人の恋愛劇”という中々色濃い題材に”悪夢”というスパイスを追加した内容になっています。あらすじとしてはネタバレを控える範囲で簡単に書きますと

” 主人公ヴィンセント独身男性32歳が学園のマドンナでもあった美人な恋人キャサリン(K)と付き合って5年の月日が経っている。彼女は結婚のことを意識しだいしてそれとなく会話に匂わせてくるが、ヴィンセントは具体的な将来をイメージしておらず結婚というものに現実味を感じずに現状の気楽さを維持したいのが本音。

 そんな中、本音を語り合える飲み仲間とバーで飲んでいたところ彼女と同じ名前の絶世の美女(C)キャサリンに声をかけられ、気がついたら一晩を共にし朝チュンを迎えてしまう。 ”

 というのが無印にもあるベースのストーリーで、プレイヤー個人の価値観に応じた選択を求められ進行とエンディングが変化するゲームです。この質問や選択の場面での内容が非常に考えさせる面白みのあるもので、メインストーリーのみならずヴィンセント同様の迷える子羊達のサイドストーリーも他者の人生を垣間見えるようでそれに対してどう考えるのか?どう答えるのか?自分の価値観に従ってアレコレ考えてく過程が非常に楽しい。逆に言えば考えること自体が嫌いな場合は評価が大きく変わります。

 他人にキャサリンをプレイさせて選択を見るのも楽しいでしょう。私はキャサリンのあまりの楽しさに友人何人かに無理やり買わせました(コラ)

 加えてフルボディでは第三のキャサリンとして謎に包まれた(Q)リンが追加されています。リンは使いキャラではありますがオープニングから出てくるので後付感もなくプレイヤーをしっかり悩ませてくれる存在になってます。ちなみにリンの正体はネタバレ無しで当てるのは無理かと思うほど衝撃がありました。

 

プレイヤーの思考力と閃きを問うアクション

 アクション面は操作精度や操作速度を問うものではなく、プレイヤーの思考力や判断力、閃きを問う3Dパズルになっています。ルール自体は単純でブロックを押したり引いたりして上に行くだけです。しかしまぁこのパズルが見事に奥深いもので本当に頭をよく使ってくれます。8年前は標準の難易度が高すぎてクリアできない人が続出し、難易度調整パッチが何度か出るほどでした。今作ではゲームオーバーにならないセーフティーという難易度があるのでストーリ面のみ楽しみたい方にも安心ですが、このパズル本当に面白いので是非やってもらいたい。

 シンプルなルールながらパズルの競技性も高く、eスポーツの格ゲーの祭典であるEVO2015でキャサリンの大会が開かれています。発売して約4年後にEVOという場で開催されることからも内容の奥深さと面白さはお墨付きと言っても良いんじゃないかと思います。

 私は普段全くパズルゲームはしません。ひたすら銃を撃ってるか、ダクソで敵をなぎ倒してるか、大手のRPGで目から汁だしてるか、ツボ男でピッケル振り回してる人間です。パズルに無縁の私でも心底面白いと思わされたパズルとストーリー。正直大人向けと書いたように万人向けとは言えませんが満足度が高く、最近発売した中で最高なゲームいくつか上げてと言われたら確実にキャサリンの名前は出すかと思います。

個人的に評価した点

キャラが立ってる 声優の破壊力

 主人公、ヒロインはもちろんのこと、元々他人であるバーの客など名のつくキャラクター全員にシッカリ個性がありキャラが立っている。濃厚なメインストーリーは勿論だが客が各々抱えているストーリーも非常に面白いもので、大富豪ならではの人間関係の悩みや、夢を諦めたミュージシャンやらドラマに満ちている。

 新キャラのリンはネタバレがない範囲で魅力を語ると不思議でおっとりした魅力がある子でそれ以上の説明が難しい。いわゆる不思議ちゃんなのだが設定そのものも謎の満ちてるところから始まるので

 このゲーム、やたら声優が凄い。私は声優に全然詳しくはないのだが声優の凄さを感じることの出来るゲームだった。感情移入しやすかったのも脚本のみならず声優の力による部分も間違いなくあるかと思います。すごい演技だなって思ったのはハンターハンターのウェルフィンが王と話すシーンとか、シュタインズゲートで例の時が止まるシーンの岡部倫太郎とかですかね。タイムリーじゃないんですけどね。

刺さる質問と言葉

 ストーリー進行の際でちょくちょく選択を問われるシーンがある。この質問の内容だったり要所の言葉が色々考えさせてくれる内容で個人的に非常に好きです。基本的に質問の内容はゲームの展開を無視すれば正解のない内容です。

 「恋人に全ての過去をさらけだせる?」→「秘密は必要」or「オールOK」というような選択がある。これを自分に当てはめて自分の価値観で色々考えるのが楽しい。答えた後にゲーム内の統計とネット調べでの統計が全体と男女別でも見れる。その差を見てあれこれ考えたりするのがとても楽しい。とにかく考えることが楽しいと思う人にはたまらないと思う。こういう選択肢要素のゲームはいくつもあるが、他のゲームよりも遥かに自分自身の価値観に従って答える楽しさがある(世界観が現実に近いので)。

 またちょくちょく出てくる偉人たちの格言が紹介されるのですが、偉人の価値観や恋愛観を垣間見えるような気がして、そこに思いを馳せるのも楽しい。

アダルトでリアルなシナリオ

 やはりシンプルにメインストーリーの内容が素晴らしい。身近な要素を多く含みます。恋愛における心情のプラス要素マイナス要素、結婚の価値観、男女の価値観、仕事と生活などなどゲームの中では約一週間なのにゲーム一本になるほどの濃厚さです。大人のジュブナイルをテーマとしてるそうですが言葉の使い方が凄くハイセンスに感じます。ゲームらしくぶっ飛んだ部分もありますけどね。

 大筋を詳しく体感したい方は体験版でプレイすることを推奨、または宣伝動画でも魅力は伝わるかと思います。無印のベースシナリオにも手を加えられており、加えてリンの存在によりエンディング分岐は10を超えます。そしてその全てのエンディングがまた面白い。ケチな脚本のRPGに分けてあげたい面白さ(失礼)。というかこの下手なレビューより本当この動画でほぼ伝わると言うか↓

とにかく小洒落てる

 ストーリーもキャラもシステムもそうなんですが、この製作元って一癖あってかなり攻めたモノを作ってくるという印象があるんです。映像やシステムに技術力を感じると思ったことは失礼ながら今まで一度もなく、むしろ他の大手に先を歩かれてる感じですがあらゆるセンスと拘りが頭抜けていて異質なんですよね。楽曲も同様にハイセンスでとても洒落ています。そもそもデザインそのものが洒落てます。デザイナーは副島成記さん。うん、もうとにかく洒落てるんですよ。

 ゲーム内で酒飲むだけで”お酒の豆知識”を紹介するっていう小ネタもイチイチ小洒落てる。正直どうでもいいと思う人がいるであろう程に細かい部分なんですけどね。全ての細かい部分まで統一して1つの世界観を丁寧に作りこんでるという印象を受けるんです。

唯一無二のパズル、やりこみ無限

 パズルそのものの楽しさ、奥深さ、唯一無二さは冒頭で書いたがメインストーリー攻略のパズル以外にも手法が変わったパズルとして、時間制限のない代わりに操作手数が決まった詰将棋的な思考力を試されるラプンツェル、ランダム要素に対して思考の瞬発力が試されるバベル、そして対戦のコロシアムとルールも遊び方もベースは同じでも様々ある。この唯一無二のパズルにハマってやり込むのにボリュームが心配なんて必要はないでしょう。加えてパズルの形自体にオーソドックスとアレンジの二種類あるんですから幅はかなりのモノ。パズルものを腰を据えて遊び散らかしたい方にもオススメです。

 以前難しすぎてクリアできない問題が浮上しましたが、難しさをシッカリ残しつつクリアへの段階的な補助機能も追加されてますし難易度変更もあります。パズルが苦手でも身構える必要もないです。

個人的にマイナスな点

定価がやや強気

 いくらシナリオを追加して、ある程度弄ってるにしろリメイクで少しDLC部分を追加したというくらいでフルプライスでもやや高めの部類というのは強気かなと感じる。特にCキャサリンのボイスを理想のボイスとして声優さんを選べるのだが選択肢は二人以外は有料となる。ちょっと値段バランス考えるとどうしても強気に感じてしまう。加えて以下の理由もある

グラフィック基準は一昔前

 確かに解像度やらはPS4向けになったがグラフィックそのものは完全に昔のものだ。3Dモデルの際にはおそらく感じるはずだったあらゆる魅力の半分程度は残念グラフィックで削がれているとは思う。私自身はグラフィックは必要分あれば問わないほうだが、このゲームの扱うジャンルとしてキャラの見た目は他のゲームよりも魅力的である効果が大きいのは間違いないです。内容良ければ良しとされたペルソナ5で、キャサリンの内容も同様に文句はないのですが、扱う題材に対してキャラの魅力の一部を表現するグラフィックのレベルがこれでは足を引っ張っているというのが正直な印象。ここらへんは正直もう少し作り直してほしかった。このグラフィックで定価は人によってはけっこう痛い。中身の良さで酷評されてはないけどね。

カメラワークと操作性

 慣れればいいといえばそれまでだが、慣れるまではカメラワークの悪さに文句が出やすい。上を目指すゲームだが上を見づらく、3Dパズルだが主人公の周りの状況を見づらいときに対しての配慮が薄い。裏面にカメラを回すときも自動で勝手が悪く、裏カメラ特有のキャラクターが左右逆に動いたりなどの誤爆を誘発する。慣れれば良いわけではあるが、ここらへんは不便に感じストレスを感じやすいかと思う。

総評

 グラフィック面で見劣りする部分はあるが内容が素晴らしいので気にせず手を出してもらいたいと素直に思う。ジャンルに対して馴染みがない人も少なくないかと思うが内容がいいので気にせず楽しめるかと思う。ハンターハンターの蟻編を楽しんでなかった人が最終的な生物のドラマを見せられて蟻編最高だった!みたいなのあるじゃないですか?まぁ全然違うんですけど ある程度人を選ぶ部分はありますが内容は素晴らしいからオススメしたくて仕方ない そう思わされたソフトでした。

 ただ、キャラの台詞や価値観はド直球なモノもあり、女はそんなもの!男はこんなもの!結婚は墓場とシーンごとに言い切ったりもします。キャラの存在を強く立たせてリアルで身近な体験に寄せていく部分ではありますが、キャラの見解や他人の価値観を割り切れない人には不快が拭えない部分もあるかと思います。大人向けの作品と言いつつも大人で苦手な人もいるかもしれません、多くのゲームに比べてシナリオの相性はあるかと思います。他人の価値観を楽しめる人ならばより一層楽しめるでしょう。

 楽しむ場合は事前に攻略情報や体験版範囲外のネタバレを控えて100%自分の価値観に従ってストーリー進行することをオススメします。一周目初見の楽しさは人生において一度のみの機会しかないので是非ご自身の判断でストーリーを進行してみてください。

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